関節リウマチにも関連するので、このブログにも転載しました。
断片 I
この冬、自覚症状だけでなく膠原病内科の毎度の血液検査でも異常値が出たので紹介状(診療情報提供書)を持たされ他院に行ったところベッドが空き次第の即入院となった。
朝、倦怠感のなかで洗面所に立ち、頑張れ!頑張れ!と呟いている。
トイレにしゃがみ込むときも同じ、頑張れ!頑張れ!と呟いている。
何を頑張るのかはっきりしないので、オマジナイみたいなものだ。
たぶん壊れそうな身体に向かって淡々と呟いている。
病気当事者を無闇に励ましてはいけないというが、自分が自分を励ます分には構わないだろう。
断片 II
たとえば同一労働同一賃金、男女賃金差別のような時代的、社会的な課題に対して、ワタシたちは闘うことができる。
しかし、たいていは「外側」からの抑圧と、受け手の資質、境遇(来歴)、忍容のバラバラな差異が、重く錯綜して現在の不幸を招いているので黙りこくる当事者が多くなる。
抑圧する側は必ず個別事情に切り込んでくる。
「外側」の問題が個々の「内側」に入り込むと、シロクロつけた明快な言葉を返すのがとても難しくなる。
闘うことも逃げ切ることもできない、という宙吊りになることはあり得る。
もはやここまで、ということはあり得る。
断片 Ⅲ
ワタシが感心する人々は
生きるとは何か、妄想を持つことも無く決着をつけている人々である。
妄想しない人々は、日本の首相が岸田だろうが枝野だろうが、本当は、なにも関係無い、どっちに転ぼうが生き抜いてやる、逃げ切ってやるという姿勢を持つ人々である。
そのために考え抜くことも、行動することも直ちにできる人だろう。
世界上位1%の超富裕層の資産が世界全体の個人資産の40%を占め、下位50%の資産が世界全体のわずか2%という格差の一層の拡大を耳にしても、自分は自分、無闇に騒ぐことも絶望することも無い。
(2021.12.28)1%の超富裕層が世界の個人資産4割独占! 日本でも止まらない“格差”に絶望の声|BIGLOBEニュース
日銭が必要なら「振り込め詐欺」のようなことをウジャウジャ無駄に考える前に、直ちに(土建のような)現場に飛び込める人だろう。
現場の土砂の臭いや油くさい化学薬剤の臭いが、懐かしく鼻に沁み込むようになれば身体と心を持つ者として一人前だ。
そういう人に、ワタシはなりたい。*1
断片 Ⅳ
6年前と異なり今どきの入院(全ての病院がそうとは言えないが)は次のようだった。
1.病棟に家族や面会客は入れない。入院時に病棟前で「引率」してきた家族と別れる。
2.だから着替えの交換・その他差入れは家族と病棟看護師と決められた時間帯(年末年始は指定日)に受渡しする。とにかく患者と外部の人とは極力接触させない。
コインランドリーはあり、患者は利用できる。
3.入院予定前日に、新型コロナのPCR検査をする。その日に結果が出る。
マスメディアや自治体が大騒ぎしていても、現在日本人全体が感染しているわけではないので、実際には、引っかかる患者はほとんどいないとのことである。
当たり前と言えば当たり前で、とりわけ入院患者は外で遊び騒ぐこともせず、「謹慎」のまま入院日を迎えるのだから感染しているわけがない(と言ってみたい)。
4.2回のワクチン接種日は訊かれる。未接種で入院拒否されるとの話はないが、御託を並べずさっさとワクチンを接種しておいたほうが円滑なことは間違いない。
特に職域接種(職場接種)が推進されているような、不特定多数ともっぱら対面する現場や、海外出張が当たり前のビジネスマンは、くだらない雑音に揺らぐこと無く接種を当然のこととして歩みを進めているだろう。
5.ラインやメールを使えば、ひっそりとだがいくらでも外とつながる。病棟の風景や食事内容(メニュー)について毎日のように家族に送っては、アーダコーダのやりとりになった。
you tubeをみると、入院(手術前後)の様子を「生配信」している力強い人もいるようだがワタシには別世界の話である。
そんなふうにあれこれしていた1月
病室の窓の隙間から、東京に大雪警報が出て初めて真っ白になった冬を見て
その後、通院でフォローしていこうと言われ
病室の窓の隙間から、青いだけの空が見えた日に、退院した。